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<2004/8/2> ■「悪意」(東野圭吾・講談社ノベルス) 人気作家が自宅で絞殺された。加賀刑事の活躍により、犯人は比較的すみや かに逮捕される。が、その「動機」についてはなかなか語ろうとしない犯人。 加賀刑事が犯人の手記を元に探り出す、意外な真相とは? 犯人の手記と加賀刑事の記録や回想などを交互に並べて、事件の真相に迫っ ていく形式の作品です。そのものズバリ、誰の誰に対する「悪意」が問題なの か、がテーマになってます。 手記の形を取っているので、筆記者が本当のことを書くとは限らない、とい うのがミソ。でも途中で真相がわかってしまった私って、実はとっても「悪意」 の固まりなのかもしれません(笑)。 ■「黒い仏」(殊能将之・講談社ノベルス) …えーと、これはミステリなんでしょうか(笑)。確かに殺人事件が起こる し探偵は出てくるしアリバイ工作などの話もあるのですけど、そんな強引?な 解決法でええんかい、とツッコミを入れたくなる1冊でした。 まあ、名探偵石動とアントニオとのかけあいがおもしろかったからいっか〜。 ■「鏡の中は日曜日」(殊能将之・講談社ノベルス) いきなり痴呆症らしき男性の独白で始まり、そして名探偵石動が彼に殺され てしまう、という非常に衝撃的な作品。彼の頭の中の情景が見事にわかりやす く表現されていて、ある意味感動的ですらありました。 また同時に、14年前梵貝荘で起きた殺人事件の経緯もつづられ、その2つ の事件がどのように関連していくか、が非常に興味深いところです。 「ハサミ男」に通ずるどんでん返しが最高におもしろい1作。 ■「龍臥亭事件 上下」(島田荘司・光文社文庫) 一応御手洗シリーズなのですが、彼はもう日本におらず、連絡もままならな い状態になっているのだそうな。で、相棒の石岡は、御手洗を訪ねてきた女性 とともに、「龍臥亭」という元旅館で起きる奇妙な殺人事件に巻き込まれます。 御手洗がいないわけだし自分は何の役にもたたない、と弱気になる石岡が、 なぜか女性にモテモテ(笑)になりしかも御手洗の手助けなしに(電報でヒン トだけもらってたけど)見事に事件を解決してしまうという、なかなかスカッ とする作品でした。 龍がねそべった形になっている奇妙な元旅館、たくさんの珍しい琴、長期滞 在する謎の親子、過去の連続大量殺人事件の犯人らしき幽霊、不可能犯罪、意 外な真犯人等々とにかく見せ場の連続で、文庫で600ページ弱ずつの上下巻 がすらすらと読めてしまいました。 しかも、最後の最後に逗留していた親子の正体が明かされたときは、思わず 興奮してしまいました。そっかー、そういうことだったのかー。これの続きは あるのかしら。わくわく(謎)。 ■「最後のディナー」(島田荘司・角川文庫) 龍臥亭事件のその後が描かれた短編集です。実は、先にこちらを読んでおも しろかったので、分厚い龍臥亭事件に挑戦する気分になったのでした。 キリスト教の最後の晩餐を思わせる表題作の「最後のディナー」はもちろん、 「大根奇聞」も感動的でした。 石岡と里美の今後はいかに? ■「アトポス」(島田荘司・講談社ノベルス) 表紙が「石」そのものを表現していることがわかって、思わず目が点になりました(^^;。まさに凶器(笑)。 内容については、「暗闇坂の人喰いの木」で登場したハリウッドの人気女優 松崎レオナを中心として、彼女が興味を持っていたという16世紀の女性エリ ザベート・バートリ伯爵夫人の非道ぶりを、かなりページを割いて描いてます。 また、ハリウッドで起きている残虐な事件や赤子の連続誘拐、レオナが中心に なって撮影している映画「サロメ」のロケ地で起きる連続殺人事件の詳細など が、交互に描かれてます。 そしてレオナがすべての事件の犯人であると名指しされ、絶体絶命のピンチ に陥ったとき、白馬に乗った御手洗がさっそうと登場するシーンには思わずの けぞってしまいました(笑)。こういうちょっとしたギャグは大好きです♪ 読み始める前からずっと不明だった、題名「アトポス」の意味も御手洗によっ て明かされてすっきり。それにしても奇想天外な事件のこれまた意外な真相に、 やっぱり島田荘司ってすごいな〜と感心することしきりです。 ■「飛鳥のガラスの靴」(島田荘司・光文社文庫) 吉敷竹史シリーズ。誰からも好かれていた人気俳優の自宅に、切断された彼 の手首が送りつけられる。事件に興味を持った吉敷は、折り合いの悪い主任と、 この事件を1週間で解決できなければ刑事をやめる、という約束をしてしまう。 彼は限られた時間で真相にたどりつくことができるのか? 私は山形県の日本海側出身なのですが、自分がよく知っていて当たり前のよ うに目にしていたとある「場所」がトリックに使われていたことがわかり、あ のあたりって謎解きのネタになるような田舎だったのか〜、となんとも複雑な 気分になりました。だって、誰でも知っているような有名な場所だったら、ト リックになりませんものね。うれしいような悲しいような(^^;。 また、吉敷に対して謎の言動をし、彼を二日酔いの地獄(笑)にたたき落と した人物がいるのですが、その人物は「龍臥亭事件」にも登場します。ここで 御手洗シリーズと吉敷シリーズが交錯するんですね〜。なんとも感慨深いもの があります。ぜひ続きが読みたいものです(^^)。 |