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1.はじめに 2000年9月に我が家やってきたジャンガリアンノーマル♂の「あずき」は、2002年8月に肝臓障害にて2歳の生涯を終えました。 ここでは、ハムスターにとっての肝臓障害とはどのような病気なのかを検討しつつ、彼の闘病の様子をまとめてみたいと思います。 また、病気に関しての記述は、獣医さんのお話を参考にしてはおりますが、基本的にMIKAがあずきを観察しながら考察したことを中心になされていますので、なんらかの間違い等がある可能性があります。したがいまして、ここに書いてあることは決して鵜呑みにせず、参考程度にしていただければ幸いです。また、あきらかな間違いや疑問点等がございましたら、ぜひハムスター雑記・飼育相談BBSにてご指摘くださいませ。 2.肝臓の機能について 人間の肝臓についての基本的な資料しかありませんが、肝臓の働きを少しでも理解するため、ここで簡単にまとめてみたいと思います。 ・胆汁を作り余分の炭水化物をグリコーゲンに変えて貯蔵し、また有毒物を中和するなど重要な働きをする。(三省堂 大辞林) ・消化管に付属した体内最大の腺であるが、胆汁と血漿タンパク質の分泌のほかにも、消化管から吸収した各栄養素の代謝や貯蔵、解毒作用など、多用な働きを行う器官である。(平凡社 世界大百科事典) ・胆液を作り、養分を蓄え、毒を消す働きを持つ。(講談社学術文庫 国語辞典改訂新版) 以上の資料から、肝臓には「養分を蓄える」「解毒作用」の2つの重要な働きがあることがわかります。 3.あずきの発病と闘病 我が家に来たときから毛並みもよく、ごはんもたくさん食べ、すくすくと成長したあずきは、2001年12月までは体調不良の気配すらみせず、毎日元気に過ごしておりました。 ところが、年末も押し迫ったころ、あずきを手の上に乗せて健康チェックをしていたときに、背中と頭のてっぺんに1ミリぐらいの小さな傷ができているのを発見しました。 今考えると、これが肝臓障害の最初の兆候だったのではないか、と思われます。 以下、日付順にあずきの闘病の様子をふりかえってみます。 ◇2001.12月末 背中と頭に1ミリぐらいの小さな傷を発見。ひっかいたような感じがあったので、毛づくろいの最中に傷がついたのかな、と考えそのまま様子を見ることに。ただ、特に爪も伸びてないし、そのような状態になったハムスターを見たことがなかったので、一抹の不安と疑問が残った。 ◇2002.1.8 そのまま様子を見つつ年越しをして毎日観察を続けていたが、傷が小さくなるどころか逆に少しずつ大きくなっているような気がしたので、獣医さんに診ていただく。 獣医さんの見解としては、背中の傷はほお袋のちょうど裏側に当たるため、ほお袋の中が何らかの理由で傷ついて炎症を起こし、それが外に出てきたか、あるいは「アカラス」というダニによるアレルギーか、どちらかが原因ではないか、とのこと。 が、ほお袋には全く異常がなく、ダニもいなそうだとのことで、結局原因不明のまま炎症止めの飲み薬をいただき、1週間ほど様子を見ることに。 ◇2002.1.20 薬を使ってみたもののあまり症状は改善せず、さてどうしたものかと考えていた矢先、あずきが自分の傷をかきやぶって、半身が血まみれになるほどの大出血を起こしてしまう。 とりあえず脱脂綿とティッシュで止血し、血で汚れた毛並みをぬるま湯にひたした脱脂綿でふき取り、水分をとって「イソジン消毒薬」で消毒。 その後自分でも毛づくろいして毛並みは一応元に戻ったが、血を見て興奮したのか、しばらくぷるぷると震えが止まらなかった様子。かなりストレスがかかったものと見られる。 その後も断続的に出血するようになってしまい、獣医さんから塗り薬や少し強力な炎症止めをもらってきたものの、体重が3日で5グラムも減るなど深刻な事態となる。 ◇2002.1.23 状況の打開をはかるため、獣医さんとじっくり今後の治療方針について相談。私としては、ハムスターが使えるような包帯なりばんそうこうなりで傷を保護できれば、と考えたのだが、そのような医療品はないとのこと(^^;。もし包帯で保護しても、ハムスターはいやがってすぐはずしてしまうし、悪くするとその包帯が首にからんで窒息死することもあるそうで、この方法は使えないということになる。 いろいろ検討した結果、強力な抗ヒスタミン剤を1日3回投与することに。眠くなる成分が入っており、炎症を抑えると同時にハムスターに眠ってもらって傷をかきむしる機会を減らし、その間に傷を治す、とのこと。 かなり強力な薬だそうで私としてはなるべく使用したくなかったのだが、他にいい方法が思いつかなかったので、獣医さんを信頼して投薬を開始する。 投与したとたん効果が現れ、闘病の疲れもあってかあずきはぐっすりと眠り込み、その間に体力と傷を回復させる。 ◇2002.2月初旬 抗ヒスタミン剤の効果は抜群で、あれほど出血していた傷口も1月が終わる頃には乾いてきて、だんだんとよくなってきた様子。なので、一刻も早く強力な薬を抜きたかった私は、もういいだろうということで、薬をやめてみることに。 が、やはりまだ完治にはほど遠かったらしく、薬をやめたとたんに出血。がっくりして獣医さんに行き事情を話したところ、先生は私の勝手な処置を怒るどころか「1日3回の投薬は大変ですけど、がんばってくださいね」と優しく励ましてくださる。ああ、よい先生に出会えたなあ、と心から感激し、今度は失敗しないようにとじっくりと薬をやめるタイミングまで教えていただき、再び投薬の日々へ。 ◇2002.3.20 こつこつと1日3回の投薬をほぼ2ヶ月続け、よくなってきたところで1日2回、1回、0へと少しずつ減らし、0にしてから1週間後のこの日獣医さんで診察を受け、めでたく「完治」のお墨付きをいただいた。 さすがに何度も大出血をした背中の毛並みは多少薄くなってしまったが、基本的に元のふさふさな状態が戻ってきた様子。ほんとうによかった。 ただ、今度は妙に尿量が増えてお腹が少し大きくなってきたような気配があり、一応獣医さんに診察していただくが、まだ心配するような症状ではないとのことで、このまましばらく様子見になる。一度体調をくずしたハムスターは、続けていろんな症状が出やすくなるようだ。やはり抵抗力が落ちるのかもしれない。 ◇2002.5月下旬 背中の炎症が完治して2ヶ月、今度は頭のてっぺんの傷が出血してしまい、もう一度同じ薬をもらいに獣医さんへ。またしばらく1日3回の投薬を続ける。 ◇2002.6月上旬 6月1〜3日にどうしても留守にせざるを得ない事情があり、3日間投薬できないでいたところ、またもや症状が悪化(^^;。 前と同じ愚を犯した自分に腹を立てつつ、再び1日3回の投薬を開始する。 ◇2002.7月中旬 薬の効果で、炎症は完治。しばらく小康状態が続くが、7月24日夜に突如動きがにぶくなり、ほお袋の中身をしきり気にするように。どうもエサとして与えた「ムギムギポップ」でひどいアレルギー症状を起こしたらしい。 ほお袋からムギムギポップの残りをぬるま湯にひたした綿棒でかき出し、事なきを得る。 ◇2002.7.31 アレルギー騒ぎのしばらく後から、尿の色が妙に濃い黄色になり、異常を感じたので獣医さんの診察を受ける。 尿検査をしてもらったところ、どうも肝臓に障害があるらしい、とのこと。肝臓の機能を高める薬を処方していただき、投薬。
ご了承ください。m(__)m) ◇2002.8.3 前日までそれなりに元気そうだったあずきだが、この日の朝なんだかぐったりした様子でどうしたのかと思っていたら、午後になって歩き方がおかしくなり、ひっくり返ると起きあがれない、という異常な事態になる。 獣医さんに飛んでいって診察を受けたところ、肝臓障害から来る「神経症状」が出ている、と診断される。肝臓の機能が弱まり、エサから栄養分が摂取できなくなって低血糖になり、四肢がうまく動かずからだが冷え、前後ろ足に黄疸の症状が出ていた。 とにかく栄養のあるものを少しでもたくさん食べさせる必要があるとのことで、ブドウ糖溶液を処方してもらう。他にヨーグルトや豆腐、バナナ等の栄養がありそうな食べ物を与え、食欲はあったのでとりあえず体温は回復し黄疸も治まる。 が、今度は肝臓が腫れて腹水がたまった状態になり、お腹が苦しいのか丸まって眠ることが困難になり、頭をケージのへりに乗せてバランスを取って寝ている様子。本能的に楽な姿勢をとろうとする生命力に思わず驚嘆。 ◇2002.8.8 獣医さんいわく「かなり厳しい」状況になってからも5日ほどがんばってくれたあずきだが、この日の朝尿が全く出なくなり、獣医さんから利尿剤を処方される。薬が効いて尿はまた出るようになったが、それで楽になったのかそのまま眠るように天に召された。 4.あずきの諸症状と肝臓機能の関係 8月3日に確認された低血糖による神経症状や黄疸は、まぎれもなく肝臓の「栄養分を蓄える」機能が低下して起こった症状であることがわかるが、それ以前の数ヶ月に及んだ皮膚炎、麦によるアレルギー症状も、どちらも肝臓の「解毒作用」の機能が低下して起こったのではないだろうか。 結局、獣医さんにその関連性を尋ねる間もなくあずきが天国に行ってしまったので、確証があるわけではないが、何の原因もなくこれほどまで皮膚炎が悪化するとは考えにくいし、麦のアレルギー症状などは明らかに解毒作用の低下がもたらしたと考えられる。 肝臓の重要な働きである解毒作用の機能が低下することにより、からだの抵抗力が少しずつ落ち、何らかの毒素(これはもう今となっては何が引き金になったのかわからないが)が皮膚に作用し、そのせいで治りにくい皮膚炎を発症したのではないか、と思われる。 皮膚炎の初期段階でこのことに気がついていれば、もう少し違った治療ができたのかもしれないが、あずきは度重なる投薬に抗議するでもなく、ヨーグルトに混ぜて与えていたとはいえ、驚くほどきちんと薬を飲んでくれていた。 この生への執着、旺盛な食欲により、ほんとうなら1月半ばの大出血時に天国に行ってしまってもおかしくなかった病気を、見事8ヶ月も長らえてくれたのだと思う。 最後の最後まで「生」のためにがんばってくれたあずきに、今私は惜しみない感謝の念を捧げたいと思います。 2年弱の楽しい、そして素晴らしい時間を、ほんとうにありがとう。 |